結核の予防と治療

結核の治療

結核と診断された場合は、まず医師や保健所の指示に従うことが大切です。結核を発病し排菌している場合は、入院することになります。発病していても排菌してない場合は、通院で治療を行います。

 

結核の治療は、基本的には、3~4種類の薬を6ヵ月間服用しますが、経過や病状によってはそれ以上服用することもあります。 入院は、排菌の停止が確認されて、他の人に感染させる心配がなくなるまでの期間で、平均的には約4ヵ月です。ただし、入院や治療の期間は、個人によって異なります。また、排菌していて、他の人に感染させる可能性をもつ患者でも、きちんと薬を服用すれば、通常、約2ヵ月ほどで排菌は停止します。

 

結核の治療費は、感染症法による「公費負担制度」があります。公費の負担額は、入院や外来、世帯の所得税額によって異なるので、保健所や医療機関などに問い合わせください。

 

結核を悪化させないためには、薬を指示通りに飲むことです。自己判断で服用をやめてしまったり、服用方法を変えたりすると、結核菌が耐性をもって、薬が効かなくなってしまいます。そうなると、通常よりも多くの薬を長期間服用し続けなければなりません。また、病巣を切除しなければならなくなり、その分、入院が長くなる場合もあります。

 

もし、周りの人が結核に感染した疑いがある場合は、結核患者の住所を所轄している保健所が、患者の病状を確認して、周囲の人の年齢や接触した状況などを考慮し、周囲の人々に対する健診を計画しています。また、結核菌が増殖するのには時間がかかるので、健診が行われる場合は、患者が結核と診断されてから1~2ヵ月後くらい実施されます。

 

周囲の人々への健診で、感染していると判断された際は、発病を予防するための抗結核薬が用いられることがあります。