結核の予防と治療

結核とは

「結核」とは、体内に「結核菌」が入ることで生じる病気で、主に肺に症状が現れます。肺の内部に結核菌が増殖して肺が腫れ、やがて肺が壊れてしまい、呼吸する力もなくなっていきます。また、肺以外にも肝臓や脳、骨など体のさまざまな部分が侵されることもあります。

 

結核の初期症状は、せきや発熱など風邪と似ていますが、特徴的なのが、微熱やせき、痰などの症状が続くことです。また、食欲がなくなったり、体重が減ったり、寝汗をかいたりする症状も起こります。さらに進行すると、息切れがしたり、だるさを感じたり、血が混入した痰が出たりして、呼吸困難になり死亡することもあります。

 

昔の日本では、結核が大変流行しており、昭和25年までは死亡原因の1位になっていましが、適切な治療方法が研究され開発されてからは、一時期を除いては、患者数が減少してきています。ところが、現在でも年間多くの患者が出ており、命を落としている人もたくさんいて、日本における重大な感染症であることは変わりありません。さらに、世界的には、毎年165万人もの死者が出ています。

 

結核は、適切な治療により薬をきちんと服用すれば治る病気です。ただし、治療の途中で薬の服用をやめてしまったり、指示通りに服用しなかったりすると、薬に対して結核菌が抵抗力を保持し、薬が効かなくなってしまうことがあります。もし、結核と診断されたら、医師の指示に従い、薬を治療終了まで服用することが大切です。